ミウラリョウスケの短いものがたり

読みものを載せていきます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

下書きに入っていた文章。

4月に書いていたらしき文章、です。 起き抜けに浴びるシャワーが好き。 バスタオルで身体を拭いた時の摩擦が心地よいから。 野菜を多めに摂取するのが好き。 漠然といいことをしている気になるから。 どうしたのだろう。 ポエムでも書こうとしていたのだろう…

綿 (仮) -第2話-

- 第2話 - 映画館を後にして、ハナちゃんは来た道を戻っているようだった。 「あの…これ、ありがとう。なんだかごめんね?」 ようやくハンカチを貸してくれたことのお礼が言えた僕。 「ふふ、一体何に対してごめんなのか分かんないなぁ〜?とりあえずそれ持…

綿 (仮) -第1話-

【綿】(仮) - 第1話 - いま、僕ときみはカラオケボックスの狭い一室に2人きり。 ムードのかけらもない空間で、僕はきみの頬にキスをする。 きみの唇に "それ" ができない僕は実に意気地なしだ。 調子外れな歌声がとなりのブースから聞こえてくるなか、きみは…

言いたかったことはなんだっけ。

深夜2時。僕と暗い部屋。外から聞こえてくるハメを外しているであろう若者の笑い声。僕の目には、隣に立つスーパーから漏れる灯りに照らされた自室のウィスキーのボトルが、むなしく光る。最後にキャップを緩めたのはいつのことだっけ。 春が巡ってきた。 真…