ミウラリョウスケの短いものがたり

読みものを載せていきます。

小説

綿 (仮) -第2話-

- 第2話 - 映画館を後にして、ハナちゃんは来た道を戻っているようだった。 「あの…これ、ありがとう。なんだかごめんね?」 ようやくハンカチを貸してくれたことのお礼が言えた僕。 「ふふ、一体何に対してごめんなのか分かんないなぁ〜?とりあえずそれ持…

綿 (仮) -第1話-

【綿】(仮) - 第1話 - いま、僕ときみはカラオケボックスの狭い一室に2人きり。 ムードのかけらもない空間で、僕はきみの頬にキスをする。 きみの唇に "それ" ができない僕は実に意気地なしだ。 調子外れな歌声がとなりのブースから聞こえてくるなか、きみは…